都内の大型スーパーや総菜売り場の現場を観察すると、夕方のピーク時に恵方巻きコーナーの横で「いわしの塩焼き」や「けんちん汁用のカット野菜水煮パック」をカゴに入れる買い物客の姿が確実に増えています。SNSやコミュニティサイトに投稿された一次情報からも、切実な生活実態が伝わってきます。
子育て世代の30代女性は、知恵袋やコミュニティ掲示板で次のように本音を綴っています。
「毎年、気合いを入れて予約した豪華な恵方巻きを買っていましたが、5歳と3歳の子どもは具のマグロだけをほじくり出してご飯を残し、床に海苔が散らばって大惨事に。結局、親が無理して2本分を平らげる羽目になり、翌朝まで胃もたれしました。イベント感は出したいけれど、太巻きである必要性をまったく感じなくなりました」
また、一人暮らしの20代会社員からも「仕事帰りにスーパーへ寄ると、値引きされた巨大な太巻きしか残っていない。一人で黙々と太巻きを食べるのは虚しいので、今年は冷凍うどんにけんちん汁の具を乗せた温かい汁物を作りたい」といった声が聞かれます。伝統行事を形式美だけでなぞるのではなく、日々の生活実感に引き寄せて楽しみたいという生活者の意志が明確に現れています。