独特の丸みを帯びたシェルと、内装に敷き詰められた天然コルクの質感。コルク半が持つ独自のシルエットは、1980年代の空前のバイクブーム期に産声を上げた。当時、軽量で頭部にフィットする実用性から若者に支持されたが、次第に日章旗や富士山、キャンディカラーのメタルフレークペイントといった独自のカスタムグラフィックが施されるようになり、独特のサブカルチャーの象徴へと変貌を遂げた。
それから半世紀近くが経過した2026年。SNSのアルゴリズムがこの日本のストリート文脈を世界中に拡散させた。「富士日章」と呼ばれる幾何学的かつ煌びやかな塗装デザインは、海外の車・バイク愛好家やグラフィックデザイナーの心を鷲掴みにした。海外の著名ヒップホップアーティストがミュージックビデオで着用したことをきっかけに、かつてのアウトローの記号は、純粋な「ヴィンテージ・ストリートアート」として急速に再評価され始めている。