石黒賢のキャリアを語る上で欠かせないのが、1983年に放送された宮本輝原作のTBS系名作ドラマ『青が散る』での鮮烈なデビューです。当時、成城学園高等学校の3年生だった彼は、テニスに青春を捧げる主人公・椎名燎平役のオーディションに見事合格。テニスの腕前と瑞々しい演技力が評価され、一躍トップ若手俳優の仲間入りを果たしました。
その後、成城大学経済学部に進学して学業と俳優業を両立させながら、1990年代には数々のトレンディドラマや社会派ドラマで主演・準主演を歴任します。中でも1993年にフジテレビ系で放送された三谷幸喜脚本の『振り返れば奴がいる』は、日本のテレビドラマ史に刻まれる金字塔となりました。織田裕二が演じる冷酷非情な天才外科医・司馬江太郎と真っ向から対立する、情熱的で正義感あふれる心臓外科医・石川玄役を熱演。対照的な二人の医師による命と信念をかけた葛藤劇は最高視聴率22.7%を記録し、最終回の衝撃的な展開とともに社会現象を巻き起こしました。
さらに1998年からスタートした大ヒットシリーズ『ショムニ』では、庶民的なOLたちから憧れの的となるエリート海外事業部員・右京友弘役を好演。完璧なエリートでありながらどこか憎めないコミカルな一面を軽妙に演じ分け、シリアスからコメディまで自在にこなす演技力の幅広さを世に見せつけました。