紀平選手を長期間にわたって苦しめているのが、2026年夏に発症した右距骨および右舟状骨疲労骨折です。足の甲の中央部に位置する舟状骨は、ジャンプの踏み切りや着氷時に全体重の何倍もの凄まじい衝撃がかかる極めてデリケートな部位として知られています。
血流が乏しい骨であるため完全な骨癒合には長い時間を要し、少しでも違和感が残る状態で負荷をかけると再発のリスクが高まります。過去に無理を押して出場したことで悪化させた経験を踏まえ、現在は「痛みの完全な消失」と「関節の可動域・強度の回復」を最優先にしたプログラムが組まれています。骨の状態を医療チームと細かくモニタリングしながら、慎重に氷上練習の負荷をコントロールしています。