全日本剣道連盟が1975年(昭和50年)3月20日に制定した剣道の理念は、「剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」という極めて簡潔かつ力強い一文で表されています。
この言葉の意味をわかりやすく分解すると、3つの核となる要素が見えてきます。まず「剣の理法」とは、刀法の基本原理(正しい刃筋、間合い、打突の機会)と、それに伴う心の働きの法則を指します。竹刀を単なる棒ではなく「日本刀」として扱い、正しい姿勢と合理的な身体の使い方を追求することです。
次に「修練」とは、単なる筋力トレーニングや技術習得にとどまらず、心身を鍛錬し続ける終わりのないプロセスを意味します。そして到達点としての「人間形成」です。相手を打ち負かすこと自体がゴールではなく、稽古を通じて礼節を身につけ、誠実で社会に貢献できる人格を築き上げることこそが剣道の究極の目的なのです。