かつて修学旅行生や個人旅行者の必需品だった「市バス・京都バス一日乗車券カード(最終価格700円)」は、2026年9月末で販売を終了し、2026年3月末をもって利用も完全終了となりました。2026年現在、市バス単独で利用できる一日乗り放題券は存在しません。
京都市交通局がこの思い切った決断に踏み切った最大の理由は、世界的観光都市特有の「深刻なオーバーツーリズム(観光公害)と市バスのパンク状態」にあります。コロナ禍からのインバウンド急回復に伴い、京都駅前のバス乗り場には長蛇の列ができ、主要観光地へ向かうバスは超満員で地元住民が通勤・通学・通院の際に乗車できない事態が頻発しました。
京都市交通局の公表資料や交通社会学の分析によると、観光客の利用を「定時性に優れ、輸送容量の大きい京都市営地下鉄」へと強力にシフトさせ、地上の道路渋滞を緩和することが急務だったとされています。あえてバス単独券を廃止し、地下鉄とバスを複合利用させる料金体系へと一本化したのは、都市インフラの崩壊を防ぎ、市民生活と観光動態の共存を図るための抜本的防衛策だったといえます。