極めて成熟した外食市場
日本の外食産業は世界でも類を見ないほど成熟している。コンビニ弁当でさえ高品質。500円でまともな定食が食べられる。ファストフードも選択肢が豊富で、マクドナルド、ケンタッキー、モスバーガー、吉野家、松屋と、あらゆる価格帯とジャンルで競争が激しい。
新規参入のハードルは極めて高い。認知度ゼロの海外チェーンが日本人の舌を納得させるのは至難の業だ。過去にも多くの海外ファストフードチェーンが日本市場に挑戦し、撤退を余儀なくされてきた。
厳格な食品規制と品質基準
日本の食品衛生法は世界でも最も厳しい部類に入る。原材料の表示、アレルゲン情報、トレーサビリティ——すべてにおいて高度な管理が求められる。フィリピンで使用している調味料やサプライチェーンをそのまま持ち込むことはできない。
さらに日本人消費者の品質要求水準は極めて高い。サービス、清潔さ、商品の見た目、一貫性——すべてが完璧でなければクレームとなり、SNSで拡散される。フィリピン式の「ほどよく緩い」オペレーションは通用しない。
不動産コストと人件費の高騰
東京都心の商業用不動産賃料は世界トップクラス。人件費も高く、最低賃金は年々上昇している。ジョリビーの低価格戦略を維持しながら利益を出すのは容易ではない。
フィリピンでは200ペソ(約520円)でチキンジョイのセットが食べられる。同じ価格設定では東京では経営が成り立たない。かといって800円、900円に値上げすれば、既存チェーンとの差別化が難しくなる。