愛知県の「愛・地球博記念公園」内に広がるジブリパークでは、「サツキとメイの家」をはじめとするエリアで作品の世界観が精密に再現されている。建物の煤けた柱や暗い隙間を覗き込む来場者たちの姿は、まさに劇中のサツキやメイそのものだ。現実の建築物の中に潜む「気配」を体感できる趣向が、世界中から訪れる観光客を圧倒している。
また、劇中でまっくろくろすけが登場する場面の緊迫感とユーモアを支えているのが、作曲家・久石譲による音楽である。静けさの中に響く微かな音色や、どこか跳ねるようなリズム。彼のスコアがあるからこそ、画面上の小さな黒い点が命を宿し、視聴者の視覚と聴覚に確かな実体感をもって迫ってくる。