白砂青松の美観を誇る千本松原。この膨大な数の松が織りなす緑のトンネルは、歌人・若山牧水がこよなく愛した地として知られる。彼はこの美林を守るため、当時の伐採計画に強く反対し、自ら保全活動に立ち上がった歴史を持つ。園内には彼の歌碑がひっそりと立ち、風が松葉を揺らす音に耳をすませば、当時の文人の情熱が伝わってくるかのようだ。
さらに、幼少期を沼津で過ごした作家・井上靖もまた、この千本浜公園周辺の景観を作品の原風景として心に刻んだ。文学碑を巡りながら松林の小径を歩けば、時代を超えて紡がれてきた言葉と風景の深みに触れることができる。