姫路市立動物園の象徴として長年愛されてきたのが、名物であるアジアゾウの存在だ。かつて「姫子」の愛称で親しまれたゾウの姿は、地元市民の記憶に深く刻まれている。しかし、現在グローバルに推進される動物福祉の観点からは、単頭飼育の改善や、広大な群れ飼育環境の確保が強く求められるようになった。
日本動物園水族館協会(JAZA)が掲げる厳しいガイドラインに基づき、今後の大型哺乳類の飼育方針は大きな転換点を迎えている。単に珍しい動物を集めて展示する時代から、種保存と生物多様性の啓発を担う拠点としての機能強化へ。かつて子供たちの大歓声を浴びたアジアゾウの歴史を受け継ぎながら、新たな国際基準に適合した施設づくりが模索されている。