工藤新一と毛利蘭が修学旅行編(原作94巻〜95巻)で正式に交際をスタートさせて以降、ファンの最大の関心事は「平次はいつ、どこで和葉に想いを伝えるのか」という一点に集中してきました。平次は「絶景スポットで新一以上のロマンチックな告白をする」と意気込み、戎橋、あべのハルカス、銀座の夜景など幾度となくチャンスを狙っては事件に阻まれるというパターンを繰り返してきました。
この「告白未遂の連鎖」に最大の転機をもたらしたのが、シリーズ興行収入歴代最高ペース(157億円超)を叩き出した劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』です。函館の極上の夜景を眼下に臨む五稜郭のヘリコプター上で、平次はついに「お前のことが好きなんや!」と決定的な言葉を叫びました。しかし、直前に投げ込まれたスタングレネード(閃光弾)の轟音と閃光によって和葉の耳には届かず、物理的な成就は持ち越しとなる演出が取られました。
原作連載(週刊少年サンデー本誌)の最新エピソードにおいても、この函館での出来事を通じ、平次の中で「告白の場所やシチュエーションに固執する幼さ」が消え、純粋に和葉を守り抜く覚悟へと昇華されています。一方の和葉も、平次の無自覚な好意や視線を明確に意識し始めており、両者の心理的距離は実質的に「両片思い」の極限状態に達しています。