現代日本語において女性器を指す代表的な隠語・俗語となっているこの言葉ですが、学術的な語源探訪においては主に4つの有力な仮説が提唱されています。言葉の成り立ちを紐解くと、もともとは決して卑猥な意図のみで作られたわけではないことが分かります。
第1に最も有力視されているのが「真子(まこ)」転化説です。古来、日本語における「まこ」は魚の卵(たらこ等の真子)や、もっとも大切で中心となる子、あるいは生命の根源を意味していました。この神聖かつ中心的な部位を指す言葉の母音が変化し、撥音(ん)が挿入されて現在の形になったという見解です。
第2は「間・処(ま・こ)」説です。「間(空間・隙間)」と場所を示す接尾辞「処(こ)」が合体したとする構造論で、身体的な特徴を客観的に表現した言葉が時代を経て変化したと考えられています。
第3は、江戸時代の風俗文化に根ざした「おまん(女性名)」派生説です。江戸期の遊郭や市井において女性の代表的な名前であった「おまん」や「お万」に、愛称や卑称の接尾語が付加され、次第に女性そのものや特定の部位を指す隠語として定着していったという社会史的なアプローチです。
第4には、形状の類似から「目の小(まのこ)」が転じたとする説や、梵語(サンスクリット語)の借用説なども語られますが、国語学者の間では前述の「真子」あるいは「間処」からの音韻変化がもっとも自然なプロセスとして支持されています。