放送終了から時間が経った今、なぜこれほどまでに注目を集めるのか。理由は、現代のテレビドラマが失いつつある「様式美」への回帰にある。
スマホ片手に倍速で視聴する現代人にとって、最初から犯人が誰か、どのような結末になるかが大枠で予想できる「赤い霊柩車」の構造は、脳に負担をかけない極上のエンターテインメントなのだ。京都の観光名所を巡る旅情サスペンスとしての側面もあり、旅行に行きづらかった時期の代替品としても機能していた。さらに、若年層にとっては、劇中のバブル期の名残を感じさせるファッションやインテリアが「レトロでエモい」と受け止められている。