ふたりの原点を辿ると、まだテレビというメディアが産声を上げたばかりの時代に行き着く。日本放送協会(NHK)の専属女優第一号としてキャリアを始めた黒柳と、シャンソン歌手として鮮烈なデビューを果たした美輪。1950年代の熱気あふれる空気の中で、ふたりの交友は静かに、しかし確固たる形で始まった。
当時の放送現場は、まさに毎日が試行錯誤の連続だった。生放送ならではの極度の緊張感の中、自らの表現を模索する若き才能たちは互いに強く惹かれ合った。若き日の語らいは、単なる同業者としての挨拶を超え、時代の先をいかに生きるかという哲学的な対話へと発展していく。この黎明期に培われた揺るぎない相互理解こそが、その後の長い年月を支える太い骨組みとなったのだ。