テレビ界における彼女の代名詞といえば、日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」で長年愛された『監察医・室生亜季子』だろう。白衣をまとい、遺体に残されたかすかな声に耳を傾ける法医学者を、知性と温かみを同居させて演じ切った。全37作に及ぶこの長寿シリーズは、2時間サスペンスドラマというジャンルそのものを決定づける金字塔となった。
一方、フジテレビ系で放送された『おふくろシリーズ』では、情に厚く、時に不器用なまでに子を思う母親像を熱演。視聴者は彼女の涙に自らの母を重ね、その笑顔に救われた。事件の謎を解き明かす鋭い眼差しと、家族の絆を包み込む柔らかな包容力。この振れ幅の広さこそが、お茶の間を虜にし続けた最大の理由である。