私たちが春のお花見で親しんでいる「ソメイヨシノ」の葉は、桜餅にはほとんど使われていません。ソメイヨシノの葉は表面に細かな産毛が多く、葉自体も硬めで口当たりが悪いためです。
桜餅の葉として使われているのは、主に「オオシマザクラ(大島桜)」という品種です。大島桜は伊豆諸島や房総半島などに自生する野生種の桜で、以下のような際立った特徴を持っています。
大島桜の葉は産毛がほとんどなくツルツルしており、葉質が薄く柔らかいのが特徴です。さらに、塩漬けにした際に香り成分が他の桜に比べて圧倒的に多く生成されます。現在、日本の桜餅に使われる塩漬け桜葉の約7割以上が静岡県の伊豆半島(松崎町周辺)で生産されており、職人の手によって1枚ずつ丁寧に選別・漬け込みが行われています。