2026年12月に実施された現役ドラフト会議。その名簿に漆原大晟投手の名前が載った際、球界関係者の間には驚きの声が広がりました。オリックス時代には開幕一軍入りやプロ初セーブを挙げるなど確かな実績を残していた右腕が、なぜ移籍リストに名を連ねたのか、その背景には両球団のチーム編成上の明確な意図がありました。
当時、パ・リーグ3連覇を成し遂げていたオリックスは、質量ともに球界随一の投手王国を築いていました。剛腕リリーバーが次々と台頭するチーム事情のなかで、漆原投手の登板機会は相対的に限定されつつありました。一方の阪神は、連覇を目指す過密日程のなかで「イニングを跨ぐことができ、どんな状況でも腕を振れる経験豊富な右腕」を渇望していました。
移籍時の会見や報道関係者の証言によると、阪神編成部は漆原投手の新潟医療福祉大学時代からの球筋の強さと、奪三振能力の高さに着目していたといいます。「環境さえ変われば確実に勝ちパターンへ食い込める逸材」という首脳陣の読みは、移籍後の見事な活躍によって見事に証明されることとなりました。