「1分1秒の遅れが、患者の人生を左右する」。同センターの救急集中治療部門(EICU)に身を置くと、ピンと張りつめた緊張感が心地よいプロ意識として伝わってくる。2026年に本格導入された次世代AI画像診断システムは、救急車内からリアルタイムで送られてくるCTスキャンデータや各種バイタルサインを即座に解析。脳卒中や心筋梗塞における微細な病変を、患者が病院のドアをくぐる前に自動検出する。
「以前なら専門医が画像を精査するのに数分を要した局面でも、AIの補助によって初動対応までの時間が半減しました」。現場で指揮を執る救急科医師の言葉には実感がこもる。もちろん、最終的な治療方針を決めるのは熟練した人間の医師だ。AIは判断を奪うものではなく、医師の直感と洞察力を極限まで補強する頼もしいパートナーとして現場に溶け込んでいる。