旧万世橋駅のハイライトは、なんと言ってもかつてのプラットホーム上に設置されたデッキとカフェ空間だ。階段を上り切ると、そこには左右を中央線の上り線・下り線に挟まれたガラス張りの展望空間が広がっている。
数分おきに、オレンジ色のラインを纏ったE233系電車が数十センチの距離を静かに、そして力強く駆け抜けていく。線路に挟まれた細長いプラットホームでコーヒーを味わう感覚は、世界中を探してもここでしか味わえない特殊な体験だ。列車が通過するたびに届くかすかな振動と風の気配。鉄の響きと歴史の残像が交差するこの場所は、鉄道ファンのみならず、特別な時間を求めるすべての人を惹きつけてやまない。