東京地方裁判所で開かれた公判は、華やかさと隣り合わせにある美容業界の構造的な歪みを白日のもとに晒す場となった。証人喚問に立った業界関係者たちは、表面上の煌びやかなイメージとは裏腹に、過酷な顧客争奪戦や法外なロイヤリティ、さらには違法なサロン経営スキームが横行していた実態を相次いで証言した。
この事態を受け、日本ネイリスト協会をはじめとする業界団体も対応を余儀なくされた。当時、サロン運営の健全化に向けたガイドラインの再構築やコンプライアンスの強化が叫ばれたものの、現場のネイリストたちが晒されていた孤立無援の労働環境が根本的に改善されたとは言い難い。法廷で提示された数々の帳簿や内部告発文書は、個人の暴走という言葉だけでは片付けられない、業界全体に根を張る金銭トラブルの闇を告発していた。