きらびやかな衣装を身にまとい、カメラの前で完璧な笑顔を見せるスターたち。しかし、強烈なスタジオ照明やステージの熱気は、多汗症を抱える者にとって過酷極まりない環境だ。滴り落ちる汗がメイクを崩し、衣装にシミを作る。本番中に「汗が目立っていないか」という不安ばかりが頭をよぎり、演技や歌唱に集中できなくなるケースも少なくない。
特にファンとの直接的な交流があるアイドルや俳優にとって、手掌(手のひら)多汗症は深刻な問題だ。握手会やハイタッチ会での緊張がさらなる発汗を呼び、自己嫌悪に陥るという悪循環。誰にも相談できず、本番直前まで冷風機にしがみつくような日々を送る表現者は、私たちが想像する以上に多い。