日本の国土は起伏に富み、四方を海に囲まれているため、わずか数時間の乗車で車窓の表情が劇的に移り変わります。日常の喧騒から離れ、流れる景色に身を委ねる時間こそ、鉄道旅ならではの醍醐味です。
車窓絶景を満喫できる国内の鉄道旅行において、外せない代表格が東日本旅客鉄道(JR東日本)の五能線です。秋田県の東能代駅から青森県の川部駅を結ぶこの路線は、日本海の荒波が打ち寄せる奇岩地帯や白神山地の山並みを間近に望み、リゾートしらかみの展望ラウンジからは時間帯によって茜色に染まる日本海の大パノラマが広がります。
山岳風景に目を向ければ、福島県と新潟県を結ぶ只見線の右に出る路線はありません。幾重にも架かる只見川橋梁と峡谷美、四季折々に表情を変える原生林の景観は世界的にも高く評価されています。豪雨被災からの全線復旧を経て、現在は国内外から多くの旅人がその息をのむ絶景を求めて訪れています。
西日本エリアでは、愛媛県を走る予讃線の下灘駅周辺が外せません。ホームの目の前に伊予灘の穏やかな青が広がり、夕暮れ時には空と海がグラデーションを描く幻想的な光景が広がります。これらに代表される絶景ローカル線のモデルコースを組み立てる際は、日中の運行本数が限られる路線が多いため、主要駅での接続ダイヤを事前に綿密に確認しておくことが快適な旅の鉄則です。