外食産業における売上高対原材料比率は、一般的に30%前後が健全な目安とされる。35%を超えれば危険水域、40%に迫れば赤字転落を覚悟しなければならないのが業界の鉄則だ。
最新の財務データを開示する株式会社サイゼリヤの数値を精査すると、驚くべき事実が浮かび上がる。売上原価率は実に37%から39%前後の高水準を維持。メニューによっては40%を優に超えるアイテムすら日常的に提供されている。この異常とも言えるフードコストを抱えながら、同社は営業黒字を叩き出している。
仕掛けは単純にして極めて合理的だ。原価率の高さで客を呼び込み、無駄を削ぎ落とした店舗オペレーションと圧倒的な客数で、粗利益の「絶対額」を積み上げる。原価率というパーセンテージの罠に囚われず、1時間あたり・1席あたりの限界利益を最大化する計算式がここにある。