サウザーの人生を決定づけたのは、南斗鳳凰拳の先代伝承者である師・オウガイとの出会いと別れだ。身寄りもない孤児だったサウザーを拾い、厳しくも温かい愛をもって育て上げたオウガイ。幼いサウザーにとって、師の存在こそが世界のすべてであり、純粋な愛の象徴だった。
しかし、一子相伝の南斗鳳凰拳には恐るべき試練が課せられていた。伝承者の証を立てる試練の夜、目隠しをされたサウザーは襲撃者を一撃で倒す。目隠しを外した彼の前に横たわっていたのは、血を流す師・オウガイの姿だった。師を超えること――それは自らの手で愛する者を殺害することを意味していたのだ。
息絶える師を抱き締め、絶望の深淵に叩き落とされた少年は決意する。「こんなに苦しいのなら、愛などいらぬ」。温もりを知ったからこそ、失う恐怖に耐えられなかった。愛があるからこそ痛みが生じる。その悟りが、彼を狂気と残虐の冷血漢へと変貌させたのだった。