忠勝の象徴である「蜻蛉切」は、村正一派の職人によって打たれた名槍であり、その鍛造技術には現代の刀剣科学者も驚嘆するほどの工夫が施されている。軽量でありながら圧倒的な剛性と極限の切れ味を両立させたこの槍は、忠勝の身体能力と相まって無敵の威力を誇った。しかし、晩年の忠勝はこの名槍の柄を自ら短く切り詰めている。自身の体力の衰えを冷静に見極め、武具を自らに合わせて最適化させた現実的な姿がそこにある。
晩年の忠勝は、小刀で自分の用具を削る際に誤って手指にかすり傷を負い、「本多忠勝もこれまでか」と悟って間もなく世を去ったという切ない伝承が伝わる。生涯を戦場に捧げ、一度も敵の刃に倒れなかった男が魅せた最期の人間臭さ。武神として崇められた男の内に秘められた繊細な素顔こそが、没後400年を経た現代の私たちを捉えて離さない真の魅力なのだ。 (出典: 本 多 忠勝(Yahoo!ニュース))
詳細を見る詳細を見る詳細を見る