舌に良性腫瘍が形成される背景には、ウイルス感染と物理的な機械刺激という2つの大きな要素が関わっています。舌乳頭腫 原因の主たる要因として知られているのが、舌乳頭腫 HPV感染(ヒトパピローマウイルス感染)です。
HPVは皮膚や粘膜に感染する極めてありふれたウイルスで、200種類以上の遺伝子型が存在します。子宮頸癌や中咽頭癌の原因となるのは高リスク型(16型、18型など)ですが、一般的な舌乳頭腫から検出されるのは主にHPV 6型や11型を中心とした低リスク型です。これらの低リスク型ウイルスが、口腔粘膜の微小な傷から基底細胞へと侵入し、細胞を異常増殖させることでイボ状の突起を形成します。
「性病として感染したのではないか」と過度に自責や不安を抱く患者もいますが、HPVは日常生活の中で手指や食器、唾液などを介してもごく自然に接触し得るウイルスです。宿主の免疫状態や口腔内環境の乱れが引き金となって発症するため、特別な恥部として捉える必要はありません。
ウイルス感染に加えて、以下のような口腔内の局所的刺激も増殖を後押しするトリガーとなります。
- むし歯で欠けた歯の鋭利な先端が常に舌に当たっている
- サイズや噛み合わせが合っていない入れ歯(義歯)や被せ物による慢性的な摩擦
- 無意識のうちに舌を歯列に押し付けたり噛んだりする癖(舌癖)
- 喫煙習慣やアルコールによる口腔粘膜への持続的ケミカルダメージ