「まさか水で洗っただけで失明寸前になるとは思わなかった」。そう語るのは、都内の眼科クリニックを受診した30代の女性患者だ。急激な目の痛みと充血に襲われ、診断されたのは角膜潰瘍だった。原因を探ると、毎日のケース洗いに水道水を使用し、濡れたまま蓋をして保管していたことが判明した。
専門医は「レンズを洗う専用消毒液(MPSなど)を節約するために水道水ですすいだり、ケースを水洗い後に乾燥させずすぐ蓋を閉めたりする行為は極めて危険だ」と指摘する。湿った密閉空間は、バイオフィルムと呼ばれる微生物の膜が形成されやすく、一度発生すると通常の洗浄では落としきれなくなる。