歌舞伎界における名門・音羽屋の歌舞伎家系図を辿ると、寺島まほろの位置づけは極めて特異かつ重要なものです。彼の母方の祖父は、現代の歌舞伎界を牽引する人間国宝・七代目尾上菊五郎、祖母は昭和の大女優・富司純子、そして叔父には八代目尾上菊五郎(旧・菊之助)が名を連ねます。
歌舞伎界は父系による継承が根強く残る世界であり、母親が梨園の娘である寺島しのぶの息子が正式に名を継ぐことには、過去に前例のない大きなハードルがありました。しかし、それを打ち破ったのは他ならぬ祖父・菊五郎の後押しと、本人の卓越した才能でした。「眞秀」という名は「真の美しさに秀でる」という意味とともに、フランス語の「Maho(まほ)」の響きを活かして命名されたもの。伝統の重みを受け止めながらも、日仏の血を引くハーフ歌舞伎俳優として、音羽屋の歴史に新たな1ページを刻み続けています。