お父さん犬の演技を支えた名犬カイくんの存在も忘れてはならない。真っ白な毛並みと凛とした立ち姿、そして絶妙な首の傾げ方や表情の変化は、まさに「名優」と呼ぶにふさわしいものだった。アフレコを担当する北大路欣也氏も、カイくんの表情や間(ま)の取り方に合わせてセリフのニュアンスを繊細に調整していたという。
日本のテレビCM史において、白戸家シリーズは好感度ランキングで長年にわたり首位を独占し続けた。ただの企業プロモーションにとどまらず、登場人物たちのセリフや展開が流行語になり、日本人の日常会話にまで溶け込んだ。犬の姿をした父親が家族の中心に鎮座するという斬新な設定は、現代の家族像やコミュニケーションのあり方にも一石を投じることとなった。