売り場で最も頭を悩ませるのが、構造と素材の選択だ。現在店頭の主力となっているのは、金属製の底取れ式タルト型と、柔軟性に富んだシリコーンミニタルト型の2種類である。
底取れ式タルト型は、底板を指一本で押し上げるだけで、繊細なタルトの縁を一切崩さずに外せるギミックが最大の武器だ。洋菓子・スイーツ調理において、生地の角を欠けさせずに型から外す瞬間は最も緊張が走る工程だが、この底取れ機構がそのリスクを最小限に抑えてくれる。金属特有の高い熱伝導率も手伝い、底までカリッとクリスピーに焼き上がる。
対するシリコーン製は、型の裏側から指で押し出すだけでスルリと抜ける手軽さと、収納性の高さが魅力だ。冷菓やムースタルト、あるいは生チョコタルトのように「焼かずに冷やし固める」スイーツにはこれ以上の選択肢はない。オーブン調理での焼き色は金属製に一歩譲るものの、油分を塗る手間が省ける扱いやすさは初心者にとって心強い味方となる。