レディースの歴史を語る上で避けて通れないのが、関東を中心に名を轟かせた「紫優嬢」や、関西発祥で強烈なカリスマ性を誇った「胡蝶蘭」など、伝説的チームの台頭である。彼女たちの勢力争いは、男性チームの前哨戦や余興などでは決してなかった。
縄張り(ナワバリ)を侵犯した他チームとの衝突は日常茶飯事であり、ヘルメットや鉄パイプが飛び交うタイマン勝負、夜間封鎖された国道での集団乱闘は、文字通り命がけの戦火だった。レディース暴走族の間で起きた抗争の多くは、単なる私怨ではなく「看板の格」を巡るプライドの衝突に起因する。男性の庇護を拒絶し、自分たちの力だけで領土と序列を守り抜くという強烈な自負が、抗争をどこまでも先鋭化させていった。