杉本博司が放つ美の深淵!江之浦測候所と『海景』が明かす世界

杉本博司が放つ美の深淵!江之浦測候所と『海景』が明かす世界

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海と空。画面を二分する水平線。ただそれだけだ。無駄な夾雑物は一切排除されている。1980年代初頭から世界各地の沿岸で撮り続けられてきた代表作『海景 (Seascapes)』は、写真芸術の概念を根底から書き換えた金字塔として名高い。長時間露光によって波立ちがなだらかなグラデーションへと溶け合い、海は鏡のように静まり返る。

この作品が提示したのは、単なる美しい風景写真ではない。古代人が最初に見たであろう手つかずの風景を、現代の私たちも全く同じ光景として追体験できるという、驚くべきコンセプチュアル・アートとしての企てである。杉本は愛用の8×10大判カメラを用い、空気中の微粒子や光の粒までも銀塩フィルムの上に定着させてきた。時間そのものを視覚化するこの手法は、現代美術の最前線において今なお色あせない強度を放っている。

森 瞳
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森 瞳

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