「まほろば」とは、古事記や日本書紀にも登場する「真秀らば(すぐれたよい所、住みやすい場所)」を意味する古語です。高畠町が公式にこの言葉を冠する理由は、単なるキャッチコピーではなく、町の地形と歩んできた歴史にしっかりと根ざしています。
明治初期、英国の女性旅行家イザベラ・バードがこの地を訪れた際、肥沃な置賜盆地の情景を「東洋のアルカディア(桃源郷)」と称賛した逸話は広く知られています。周囲を山々に守られた高畠町は、日照時間が長く寒暖差が大きいという果樹・農業に最適な気候に恵まれてきました。
さらに、町内には縄文時代草創期の遺跡群として国指定史跡となっている日向洞窟(ひなたどうくつ)や一の坂遺跡などがあり、1万年以上前から人々が定住し生活を営んでいた痕跡が確認されています。自然の恩恵と古代から連綿と続く人の営みが調和していることこそが、高畠町が今日でも「まほろばの里」と呼ばれる決定的な根拠です。