チームの再建の経緯を追う上で、避けて通れないのが血の入れ替えを伴うロースター改革です。長年にわたってチーム編成を統括してきたジョン・モゼリアック編成本部長の勇退路線に伴い、ボストン・レッドソックスやタンパベイ・レイズで育成部門を劇的に近代化させたハイム・ブルームが編成権限を掌握。方針は明確に「コストのかかるベテランの整理と、若手コアプレイヤーの育成」へとシフトしました。
移籍・トレード市場における最大の焦点は、三塁手ノーラン・アレナドの去就です。複数年にわたる巨額契約とトレード拒否条項の存在がハードルとなってきたものの、年俸負担の割合や交換相手のプロスペクト(有望株)を巡り、強豪球団との水面下の交渉が報じられています。すでにチームを去ったゴールドシュミットに続き、アレナドを放出して完全にリセットを図るのか、それとも若手の指南役として残留させるのかが、今後の編成戦略を分ける最大の分岐点です。
現在アクティブロースターに並ぶセントルイス・カージナルスの選手一覧に目を向けると、明確な世代交代の胎動が確認できます。遊撃手のレギュラーに定着した強肩のメイスン・ウィン、卓越したユーティリティ性と打撃技術を併せ持つブレンダン・ドノバン、そして規格外のスラッガーとしての開花が期待されるジョーダン・ウォーカーら、20代半ばの若手がチームのセンターラインを形成しつつあります。彼らにヌートバーが加わる野手陣は、ポテンシャルとしてはリーグ屈指の若々しさを誇っており、投手陣の再建スピード次第で一気に浮上する可能性を秘めています。