事前に発表されていた自身の順位を把握していたはずの彼女が、なぜ1位の瞬間に前へ飛び出してしまったのか。その長年の疑問に対し、兒玉遥本人が後年のバラエティ番組やインタビューで当時の舞台裏を赤裸々に明かしている。
最大の要因は、極度のプレッシャーと極限状態によるパニックだった。当時の兒玉はHKT48のエースとしてグループを牽引する重責を一身に背負い、精神的にも肉体的にも限界を迎えていた。生放送の現場ではスタッフの指示、飛び交う歓声、大音量の演奏が入り乱れ、過呼吸寸前で意識が朦朧としていたという。
「第1位、山本彩」というコールが耳に飛び込んできた瞬間、極度の混乱状態にあった脳内で「はるか」と名前を聞き間違えてしまい、無意識に体が動いてしまったと本人は振り返る。前に出た瞬間に周囲の視線と異様な空気でミスを悟り、一気に血の気が引いたという。ステージ上で流した涙は、順位に対する悔しさ以上に、大舞台で取り返しのつかないミスをしてしまったという自己嫌悪と羞恥心によるものだった。