真贋鑑定の場において、真っ先に検証されるのがブランドの心臓部であるオーブ(Orb)シンボルの刻印だ。本物の金属パーツは、天頂に輝く十字架の先端から球体を囲む輪の造形に至るまで、エッジが鋭く研ぎ澄まされている。対照的に偽物は、鋳造プロセスの甘さから全体に丸みを帯び、刻印の凹凸が浅くボヤけた印象になりがちだ。ルーペで拡大すると、その差は明白である。
また、アパレル製品やバッグの内側を飾るタグの縫製も見逃せない。日本国内の展開を手掛けるヴィヴィアン・ウエストウッド株式会社の正規流通品は、ラベルの文字フォントが寸分違わず配列され、縫い目も緻密な均一さを誇る。コピー品はチープな合成繊維タグが使われることが多く、フォントの太さが不揃いだったり、端の処理がほつれていたりする。プロによるブランド真贋鑑定では、こうした質感や縫い目のピッチ(間隔)まで厳しい眼光が注がれる。