「ワンチャン」という言葉の原点は、意外にも卓上の熱い駆け引きにあった。本来は麻雀用語の「ワンチャンス(One Chance)」に由来する。麻雀において、特定の牌がすでに3枚見えている状態を指し、「残り1枚(ワンチャンス)でアガれる可能性がある」という戦況判断から生まれた専門用語だ。
この勝負師たちの隠語が表舞台へ躍り出たきっかけは、サブカルチャーの盛り上がりにある。麻雀を題材にした人気アニメ『咲-Saki』のヒットや、インターネットテレビ局『ABEMA』における実戦配信が認知度を決定的に押し上げた。さらにプロ麻雀リーグを運営するMリーグ機構の発足に伴い、トッププロの多井隆晴選手らが実況や解説で軽妙に使うフレーズが視聴者に浸透。難解だった麻雀の戦術用語は、一気にポップな日常表現へと変貌を遂げた。