「もし検査後に目が覚めなかったらどうしよう」「麻酔の後遺症で認知機能が落ちたりしないか」という不安も、受診者から頻繁に寄せられる声です。
結論から申し上げますと、適切な全身管理下で行われる鎮静において、薬の影響で永遠に目が覚めなくなることは医学的にあり得ません。ミダゾラムの体内半減期は約2〜4時間、プロポフォールに至っては数分から数十分で急速に代謝・排泄されるため、投与を中止すれば確実に覚醒へ向かいます。万が一覚醒が著しく遅れた場合でも、ミダゾラムであれば前述の拮抗薬を静脈注射すれば数分以内に意識を取り戻します。
「目が覚めない」という最悪の事態が発生するのは、薬効が切れないからではなく、呼吸停止によって脳へ酸素が届かない状態が数分以上継続し、重篤な低酸素脳症(脳死状態)に陥ったケースのみです。
検査当日の帰宅後に「頭がぼーっとする」「ふらつきが抜けない」と感じるのは、薬剤の代謝途中に見られる一時的な二日酔いに似た正常反応であり、永続的な後遺症ではありません。ただし、注意力や判断力は著しく低下しているため、当日の自動車・バイク・自転車の運転は厳禁とされています。