スマホの画面から目を離し、目の前の一杯に全神経を注ぐ。一蘭が元祖とされる「味集中カウンター」は、デジタルデトックスが叫ばれる2026年において、かつてない価値を持ち始めている。仕切り壁の向こうからすっと差し出されるラーメン。店員の顔は見えない。だが、そこには無言のコミュニケーションが存在する。
余計な雑音をシャットアウトし、スープの温度、麺の硬さ、秘伝のたれの辛さが織りなすハーモニーに集中する時間は、現代人にとって一種のマインドフルネスとも言える。鳴海店では、この静寂の体験をさらに深めるため、照明や空調の微調整にも独自のこだわりを見せているという。