ネット上の掲示板やSNSで頻繁に議論される「物理重要問題集だけで難関大に合格できるのか」という問いに対する結論は、「旧帝大・上位国公立・難関私大の合格最低点クリアは十分可能だが、東大・京大・東工大や最難関医学部の高得点狙いには追加対策が必須」というものです。
入試物理の構造上、合格点を奪うために必要な要素は2つあります。1つ目は「見た瞬間に解法の方針が立つ定石パターンの網羅」、2つ目は「見慣れない設定から物理モデルを抽出する抽象化能力」です。本書はこのうち前者を極めて高い密度でカバーしています。全国の大学入試過去問から良問を抽出・再編成しているため、千葉大・横浜国立大・神戸大といった難関国公立や、MARCH・関関同立の上位理工学部であれば、合格者平均を超える得点力を担保できます。
地方国公立大学の医学部医学科においても、物理の合格者平均得点率は75〜80%前後に達します。奇問や超難問を解く力ではなく、「標準から応用レベルの典型題を制限時間内にノーミスで解き切る処理能力」が合否を決定づけるため、本書のA問題・B問題を血肉化する戦略は極めて有効に機能します。一方で、東京大学や京都大学で要求される、極度の思考力や微積分を用いた物理現象の本質的理解を要する出題に対しては、過去問演習や『難問題の系統とその解き方』などの追加補強が不可欠となります。