初心者がスナックの入店をためらう最大の要因は、「明細が不透明でいくら請求されるか分からない」という恐怖心にあります。しかし、基本構造を論理的に分解すると、スナックの会計システムは極めて明瞭かつ合理的です。
会計の屋台骨となるのがスナックチャージ料金の相場、いわゆる「セット料金(席料)」です。地方都市や住宅街の路面店であれば2,500円〜3,500円、東京の銀座や新橋、六本木などの都心歓楽街では4,000円〜6,000円程度に設定されています。このセット料金には通常、以下のサービスが含まれます。
- チャーム(乾き物やお通し、ママの手作り惣菜など)
- 割り物用のアイス(氷)とミネラルウォーター(水)
- おしぼり・席の利用権(基本的には時間無制限)
ここで鍵を握るのがスナックボトルキープの仕組みです。スナックではグラス1杯ごとに清算する「ショット売り」よりも、ウイスキーや焼酎のボトルを丸ごと1本買い取り、店内に保管してもらうスタイルが基本となります。甲類・麦・芋焼酎のボトルが3,500円〜6,000円、ジャパニーズウイスキーやスコッチの定番ボトルが6,000円〜12,000円程度です。
初回来店時は「セット料金+新規ボトル代」がかかるため、総額で7,000円〜12,000円程度の出費となります。しかし、一度ボトルを入れてしまえば、2回目以降の来店時はボトルが空になるまで「セット料金+割物追加代(数百円程度)」のみで何時間でも滞在できます。結果として、スナック一人飲みの予算と評判を検証すると、2回目以降は1回あたり3,500円〜5,000円ポッキリで心地よく酔える計算となり、居酒屋チェーンで飲み食いするのと大差ない費用対効果が実現します。
なお、カラオケ代金は「セット料金に歌い放題として内包されている店舗」と、「1曲100円〜200円のチケット制または後計算」の店舗に二分されます。入店時に「セット料金はおいくらですか?」「カラオケは歌い放題ですか?」とストレートに尋ねることは、スナック文化において一切失礼には当たりません。