風情ある城下町の面影を色濃く残す西尾市歴史公園。その一角に佇む旧近藤家住宅(伝想茶屋)の門をくぐると、外の喧騒が嘘のように静まり返る。手入れの行き届いた日本庭園、磨かれた縁側、そして心地よく差し込む柔らかな自然光。この由緒正しき武家屋敷の意匠をそのまま生かした和カフェが、抹茶ラボの手がける空間である。
靴を脱いで畳の上に腰を下ろすと、庭の木々が揺れる音だけが聞こえてくる。重厚な梁や柱が醸し出す静謐な空気の中でいただく抹茶スイーツは、日常を忘れさせる特別な味わいがある。伝統建築の保全と現代のカフェ文化が見事に調和したこの場所は、訪れた瞬間に背筋がすっと伸びるような心地よい緊張感と、深い安らぎを同時に与えてくれる。