1982年、彼の名前は演劇界の枠を飛び越え、日本全国に知れ渡ることになる。シンガーソングライターの小椋佳が作詞・作曲を手がけた『夢芝居』の大ヒットだ。この曲はオリコンチャートの上位に食い込み、同年の紅白歌合戦出場へと彼を押し上げた。
妖艶な女形のメイクのままマイクを握り、低く渋い声で歌い上げるギャップ。その姿に日本中が酔いしれた。テレビというメディアを通じて彼の魅力が全国のお茶の間に浸透した瞬間であり、大衆演劇というややクローズドだった文化が、メインストリームへと躍り出た歴史的な転換点でもあった。