『夜廻』シリーズを語る上で欠かせないのが、生みの親である溝上侑 ディレクターの存在です。溝上氏は日本一ソフトウェア社内のコンテスト企画から『夜廻』を立ち上げ、キャラクターデザイン、世界観構築、シナリオの根底にある空気感までを一貫して手掛けてきました。
当時のインタビューや関係者の証言によると、溝上氏は「幼少期に感じた夜の怖さや、街の街灯の薄暗さ、言葉にできない寂しさ」という極めてパーソナルな原体験を創作の源泉にしています。『深夜廻』の発売後、同氏は新規タイトルの開発やアートワークの監修など多岐にわたる業務に携わりながらも、インタビューの中でシリーズへの深い愛着と「新しい仕掛けや伝えたい感情が形になれば、いつでも夜の街を描きたい」という趣旨の想いを明かしていました。
日本一ソフトウェアは近年、新規タイトルの創出と並行して定評ある看板タイトルのシリーズ展開を重視しています。『夜廻』は同社のインディーズライクな挑戦的タイトル群の中で最も商業的・批評的成功を収めたIPの一つであり、社内的な開発プライオリティも依然として高い水準に維持されていると考えられます。