すでに漬かりすぎて激辛になってしまった野菜であっても、諦めて廃棄する必要はありません。浸透圧の原理を利用した正しい手順を踏むことで、素材の風味を維持しながら適度な塩気へと修復できます。
最も手軽で基本的な方法は、冷水を用いた短時間の浸漬です。具体的な手順は以下の通りです。
1. 野菜の表面に付着したぬかを流水で素早く洗い流します。
2. ボウルにたっぷりの冷水(氷を数個浮かべるとより効果的)を張ります。
3. 野菜を浸し、ぬか漬けの塩抜き時間は10〜15分を目安に置きます。
注意点として、真水に長時間漬けすぎると細胞組織が水を吸いすぎて水っぽくなり、水溶性のビタミンや乳酸菌由来の旨味成分まで完全に流れ出てしまいます。途中で端を少し切り取って味見をし、塩加減が落ち着いた瞬間に引き上げてキッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取るのが鉄則です。
さらにプロの料理人が実践する裏ワザとして高い評価を得ているのが、ぬか漬けのみりん塩抜きや「呼び塩(迎え塩)」と呼ばれる手法です。水1カップに対して小さじ2分のみりん、または0.5%程度の極微量の食塩を加えた薄い液体に漬け込むことで、急激な浸透圧の差による旨味の流出を防ぎます。みりんが持つ微細な糖分とアルコール成分が野菜の表面をコーティングし、嫌な塩角だけを吸い出しつつ、上品な艶とほのかな甘みを補ってくれます。