一般の観光客が立ち入れる展示館やカフェだけでなく、舞鶴赤れんがパークには特別なガイドツアーや調査時のみ姿を現す通常非公開エリアが存在する。その内部へ一歩足を踏み入れると、観光地化された表の顔とは異なる、剥き出しの歴史が迫ってくる。
かつて魚雷や爆薬が厳重に保管されていた弾薬庫の内部は、外気の影響を極限まで減らすための二重壁構造が今も完全に残されている。薄暗い空間に灯りをかざせば、当時の職人がレンガに刻んだ印や、物資を運搬した木製トロッコの車輪痕が床面にうっすらと確認できる。天井を見上げれば、無骨な鉄骨トラスが規則正しく交差し、機能美を極めた近代建築の真髄を目の当たりにできる。
これら非公開棟の保存状態は驚くほど良好で、舞鶴市では文化財保護と特別公開プログラムの両立に向けた整備を段階的に進めている。一般公開エリアの洗練された雰囲気と、非公開エリアの生々しい静寂のコントラストこそ、この場所の最大の深層魅力である。