かつてYouTube上で量産されていた漫画動画といえば、誇張されたスカッと系や荒唐無稽なファンタジーが主流だった。しかし『飯のタネ』が提示したのは、救いようのない現実と微かな希望が交錯する本格派のヒューマンドラマだ。主人公たちは決してスーパーヒーローではない。借金に追われるフリーター、理不尽なノルマに喘ぐ営業マン、家庭崩壊の危機に怯える主婦など、どこにでもいる生身の人間たちだ。
視聴者が彼らに強烈に感情移入するのは、物語が安易なハッピーエンドで幕を閉じないからである。選択を誤れば破滅が待っており、努力が必ずしも報われるとは限らない。その剥き出しの人間模様が、閉塞感を抱える現代人の乾いた心に深く突き刺さる。コメント欄には「自分の過去を見ているようだ」「胸が締め付けられる」といった切実な声が毎日のように溢れ返っている。