今季、厨房の陣頭指揮を執る料理長が打ち出したのは、風土の記憶を呼び起こす新境地のコースだ。旬の極上魚介や無農薬野菜を贅沢に用い、炭火の薫香をまとわせたメインディッシュは、ひと口ごとに素材の輪郭が際立つ。素材同士の重なり合いが生む驚きに満ちている。
だが、席を確保するハードルは極めて高い。連夜満席が続く中、限定コースを確実に味わうには事前の戦略が欠かせない。予約台帳が開放される毎月1日の深夜零時、あるいはオンライン枠の直前キャンセル通知を見逃さないことが唯一の突破口となる。席数が限られた隠れ家だからこそ、事前の周到な準備が明暗を分ける。