高見盛精彦という力士がなぜこれほどまでに愛されたのか。それを語る上で欠かせないのが「ロボコップ」と呼ばれたあの独特の気合入れ動作だ。顔を叩き、胸を張り、カクカクとした動きで自身を鼓舞する姿は、大相撲ファンのみならず日本中の人々を笑顔にした。
しかし、あのパフォーマンスは単なるウケ狙いではなく、極度のプレッシャーと戦う中で編み出された彼なりのルーティンだった。勝利した時の弾けるような笑顔と、敗れた時の分かりやすい落胆ぶり。感情を隠せない人間味あふれるキャラクターこそが、彼の真骨頂である。大相撲の土俵で金星をいくつも獲得し、懸賞金の束を両手で抱える姿は、平成の大相撲を代表する名シーンとして今なお語り継がれている。