慶長5年(1600年)、関ヶ原の戦いを前に下野国・犬伏で開かれた真田家の密談、いわゆる「犬伏の別れ」は、ドラマ全体を通しても最大のクライマックスの一つでした。徳川方に付く信之と、豊臣方に味方する昌幸・信繁。どちらが勝っても真田の血と家名を残すため、互いに敵味方となって袂を分かつ決断を下します。
劇中において信之が昌幸と決別した背景には、単なるリスクヘッジを超えた現実的な大局観がありました。昌幸の博打のような戦国乱世の生き残りに限界を感じていた信之は、天下の趨勢が徳川に移りつつあることを冷徹に見抜いていたのです。
深夜の陣幕で、殴り合いに近い感情のぶつかり合いの末に交わされた信繁との約束――「たとえ敵味方になろうとも、真田は一つ」。大泉洋と堺雅人が見せた魂の対話は、利害を超越した兄弟の深い絆を克明に描き出しました。